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高校生だけでオペラ上演*ちひろ

こんばんは!ちひろです🙆‍♀️

 

私の高校は国立音楽大学の附属でした!

なんの部活に入るかは受験生の時から決まってました💡

「オペラ研究部」です👗

通称、「おぺけん」

入部した理由はドレスをたくさん着たい!それだけでした(笑)

 

何をやるかというと単純で、毎年の文化祭でオペラを1本上演します!

ただそれだけの部活なのですが、激アツでした。

 

何がすごいかと言えば毎年200人超えのお客様が見に来てくださるくらいの名物的な部活だったこと!(今思えば動員数すごい...)

 

私の高校生時代の青春の8割くらいはおぺけんでできていると言っても過言でないくらい濃い日々を過ごしました。

 

全国で顧問はほぼノータッチ、高校生だけでオペラを上演するというのはあまりないことだと思うので今回記事にします😎

 

高校生だけでオペラってできるの?

 

まず、場所の問題はありませんでした。

なぜなら練習は教室や学校の体育館、本番も体育館で行っていたからです!

 

ですがやることは山ほどあって...

 

・なんのオペラ上演するか決める

・役のオーディションする

・なんの曲をやるのか決める

・台本をつくる

・日本語訳が存在しないオペラにした場合はDVDなど見ながら字幕をとり、台本、曲の日本語を考える

・オーケストラを募る

・オーケストラ、演者の楽譜を全て自分たちで製本

・衣装調達

・大道具、小道具の準備を予算内で

・練習日程を組む

・合宿の手配

・プログラム作成(写真とる、あらすじ書く、先生方に文章書くのお願いする)

・曲中で踊るダンスを考え練習

・転換表作成

・エキストラを募る

 

ざっと思い出すだけでこれくらいはあり、しかもこれをやった上で台本を暗記、楽譜の暗譜、演技のブラッシュアップ(指導は基本的に自分たち)を全て自分たちで考え実行までしなければなりません👀

 

夏休みはほぼ毎日、本番前は通常の学校の授業の前に7:15くらいに集まり朝練、昼練、放課後練をこなしていました💪

 

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私が高校生2年生の時の本番前スケジュール!

 

楽譜の製本は授業中ずーーーっとやってました🤣

オーケストラさんの分もやったので製本のプロになれました(笑)

 

こだわりで突っ走るオペラJK集団

 

音楽、オペラ、ピアノ、オーケストラ、、、

たしかにワードだけみると貴族っぽいですが、中身はバリバリの体育会系。

朝早く学校に来て、発声、熱い指導、、、、

昼練をするために基本的には1〜2限くらいで早弁する生活😂

 

今思えば異様なこだわりをもって部活に励んでいました!!!

 

例えば、これ。

 

高校2年生のときに、リヒャルト・シュトラウス作曲『ばらの騎士を上演したのですが、プログラムに別冊をつけてそれぞれが演じる役の詳細な設定をお客様にもみていただきました!

 

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高校生ながら図書館などでオペラについても調べてまとめ、部員に展開するなど熱量がすごい!!!

(これは一個上の先輩が作ったもの)

 

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いい舞台にするためにはどうしたらいいかを真剣に考え、同じ方向を向いて一緒に頑張る。

そんな当たり前のことを純粋に考えて素直に稽古する日々🌱

 

神は細部に宿ることを信じて疑わない

 

ここまできたら自己満じゃない?!みたいなことにもこだわり始めます👏

 

私が最上級生になった高校3年生。

演目はフランツ・レハール作曲『メリー・ウィドウ

 

この舞台の時は朝から晩まで頭はおぺけんのことでいっぱい!!!!

 

ずっと部活で使っていた背景があったのですが、一つしか背景がないことに対してある日疑問を感じた私は「背景、つくろ!」と決意。

 

横だけで4.5メートル、縦は少なくとも3メートルくらいはある巨大な背景を作らなければならなかったのですがその日にすぐ布を買いにいき、布を縫い合わせ大きなキャンパスを作りました。

そして、妹の高校が美術系だったので絵の上手い子にイメージを伝えて絵を依頼。

 

自分の家の駐車場いっぱいに布を敷き詰め、ペンキを買ってきて1週間くらい作業してもらい、無事背景が完成🌟🌟

 

同じおぺけんの会計係の仲間が階段を作ることを提案してくれて(舞踏会のシーンで上から降りてくるような階段があったら確かに舞台映えする!)、その子のつてで、新国立劇場で大道具を作っている方にきていただき、なんと!階段を作っていただきました😆

 

ちなみに、予算はそんなにかけられなかったのですが顧問と上手くコミュニケーションをとり、顧問のポケットマネーからその方にギャラを支払ってもらいました!笑

(今思えば機転がきく子たちの集まりだったw)

 

劇中でここはどうしてもワルツを踊りたい!と思えば体育の先生に直接依頼し、ワルツの踊り方講座をやっていただいたり

部室にスーツが少ない!と思えば声楽の先生に「余ってるスーツあれば恵んでください🥺」と頼み込んだり、、、

 

見栄え大事、何かを作る、新しく生み出す、協力する、こういうところが私たちの代の真骨頂でした🌹

 

適材適所を学んだ部活

 

イラストが得意な人、数字に強い人、部員の心をつかむのが上手、かゆいところに手が届く人...

 

それぞれの得意分野はずっと一緒に過ごしてきたのでずっと知ってました🍭

なので、誰がどんな仕事をすればいいものができるかが分かってたところは今思っても素晴らしい!

 

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合宿のタイムスケジュール、持ち物なども全部部員が!

 

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プログラムのイラストも本当にかわいい❤︎

 

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プログラムに載せるためにチェキであらかじめ写真撮ったり📷

 

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人物相関図🌷

(撮影、メイク、髪型、ドレス選びも全て自分たちでやってました!)

部員はほぼ女子だったので男性役もほとんど女子がやりました!

 

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高校最後の舞台は気合い入りまくり👌

 

 

誰かとなにかをつくりあげること

 

書いてるとキリがないのでこのへんで終わります(笑)

 

このおぺけんの経験が今に活きていることがいっぱいあって、未だに同じ舞台を踏んだ仲間とは交流があります🌱

(なんならおぺけんが恋しくなって大学になっても同じメンバーで大学の学園祭でオリジナルシンデレラを上演しました笑)

 

なによりすごいと思うことは、これは全て"大人の指示なしで自分たちの意思でやったこと"です🧚

 

誰かになにかを言われてやるのではなく、自分たちがこうしたい!こういうことを実現したい!その一心で行動してたということ。

 

そもそも高校生でオペラを上演する時点で高いハードルだと思います。

それに加えオーケストラ伴奏で高音もバンバン出して、演技も転換も指導も雑用も全て自分たちでやるというハードっぷり。笑

 

もちろん、受験の関係などで途中で辞めていく仲間もいたし、完全なマニュアルもないので考えることだらけで息が詰まったり、夏休みに遊びたい!と思ったこともあります☁️

 

高音を出しすぎて、本番間近に声帯結節になったり、、、泣

 

そんな中でも演じること、つくりあげることが楽しくて、全部自分たちでやっていたので達成感も半端なかったです💄

 

本番が終わった後、幕のうしろで達成感と終わってしまった悲しい気持ちがごちゃごちゃになり、みんなで泣きながら抱き合った風景は今でも思い出せます。

 

苦しいながらも楽しい部活が本番が終わってしまうと"おぺけんロス"という現象が起こってました(笑)

 

何気なく入った部活だったけれど、学ぶことがたくさんで人生で必要なことも仲間から多く教わった貴重な経験となりました🍎

 

バイト以外で稼ぐことも知らず、まだ社会がどんなものかも、にわかにしか分からなかった高校生の頃のまっすぐで純粋な頑張りは本当に尊い

何かを頑張る、やり切るって尊い

 

そして何かをやり遂げるって本質的には技術でなくてきっと、それにかける想いなんだと。

 

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大変で泣くことも少なくなかったけど、心から頑張ってよかったと思ってます!!!

 

頑張った経験はその後どこかで必ず役に立ち、自分を助けてくれます💞

 

🧡ちひろ🧡